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- 一生のうちにこの障害に冒される可能性は意外に高く、5%から25%の人が一度は経験するとされています。現時点でこの障害を患う人も約3%と言われています。そして、1:2の割合で女性に多いとされています。
- 気分の変化と共に、日常の活動内容が変化します。抑うつ状態の時には何もできなくなって、そう状態の時には派手に動き回る傾向が出ます。患者さんは自分をコントロールできているという感覚を失い、多くの場合、その症状に苦しみます。また抑うつ状態になると悲観的になったり、そう状態になると非現実的なほど楽観的になるなどものの見方が変わったり、不眠や食欲低下などが起こります。
- うつ状態とそう状態では大きく違う病像ですが、それが人間に通常起こるレベルの気分の変動とどう違うのかも問題になってきます。それを判断するには、家族等、いつも身近にいる人たちに情報が重要となります。( 来院の際には、ご家族の同伴をお勧めします。無理な場合はご連絡ください )
治療
- うつ状態の場合とそう状態の場合では、治療の方針が違います。
- うつ状態の場合には、基本的には患者さんに休息をとらせ、これは自分のせいで起こったことではなく立派な病気であることを知らせ( 能力が発揮できなかったり、気力がないことについて自分を責める人が多いため )、納得の上で薬を使うことが一般的です。
- 自殺のおそれがある場合や、行動のコントロールがとれない場合は、入院治療が必要となります。
- 薬については、うつ状態の場合、抗うつ薬や、抗不安薬を投与します。
- そう状態の場合は、炭酸リチウムが有効とされています。これはそう状態の時に限らず、双極性障害の場合は、躁状態にもうつ状態にも半数以上で予防効果がみられます。その他、バルブロ酸ナトリウムやカルバマゼピンなどのてんかんの薬や抗精神病薬も有効とされています。